Soraken’s Style

つれづれ

LED照明の制御

むっちゃ久しぶりです。

以前の投稿から、職場が変わるなど大きな変化もあって趣味のメカトロいじりが全然できてなかったので、ここらで改めて趣味を大事にしていけるよう気持ちを新たにしていこうと思っています。

 

なにせ久しぶりなので、また基本に戻って素人ネタで再開したいと思っています。

そこで選んだのは、今更ながらのLED照明の制御。以前もLEDの”Lチカ"をマイコンでやってみましたが、今回やるのは少しだけ実用的なチャレンジです。

 

例えば、ライティング創さんのLED照明やように、大光電機さんのLED照明のように、最近は光量や色調を調整できるLED照明が製品になってきているようです。今回は、このようなLED照明の明るさをコントロールするにはどうすれば良いか、というお題です。

 

ここで、以前試してきたことを振り返りたいと思います。(リハビリです)

以前の懐かしい記事でやっていた事で、LEDを光らせる回路は以下のようになっていたと思います。

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LEDを光らせる回路

LEDを光らせる場合、電源とGND(グランド)の間にLEDを挟みますが、この時、LEDで使用される電圧を(製品によって異なりますが)2V程度としましょう。そうすると、電源が3.3Vだった場合、残りの1.3Vを使って、LED(というか回路)に流れる電流を決めてやる必要があります。やり方は割と簡単で、残りの1.3Vを電流を決めるための抵抗で消費すれば良いわけですから、例えば、LEDに20mA流したければ、

    V = IR

オームの法則を使って、

    1.3 = 0.02 x R

よって、

    R = 1.3 / 0.02 = 65 Ω

となりますね。

 実際にはピッタリ65Ωの抵抗なんてないので、例えば少し電流値が小さくなってもいいとして、100Ωで代用するとしたら、

   1.3 = I x 100

   I = 13mA

となります。これで試しにLEDを光らせてみた例がこちらです。

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LED点灯の例

実際のLEDの両端にかかっている電圧は1.7Vでした。つまり、

   3.3 - 1.7 = I x 100

   I = 16mA

ということになります。

では、100Ωではなく、47Ωではどうなるでしょうか。

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LEDを光らせる例(47Ω)

先程の時より少し明るくなっているように思います。

注目すべきは、47Ωの時のLEDの両端の電圧もほとんど変わらず1.7Vくらいでした。つまり、

   3.3 - 1.7 = I x 47

   I = 34mA

で、先ほどに比べて2倍程度の電流が流れていることになりますが、それでもLEDの両端の電圧はほとんど変わらないということです。もっというと、LEDの明るさは(LEDにかける電圧ではなく)流す電流の量によって変えられるということになります。

 

実際には、上記の例のようにLEDの明るさを変えるのに抵抗値を自由に変化させるのは(可変抵抗などを使ったとしても)面倒です。そのため、LEDに消費される単位時間あたりの電力に着目して、ある時間の中でどの程度電流を流し、残りは電流を流さないかで制御する方法が、PWM(パルス幅変調)方式の制御です。単位時間あたりの平均電流を制御してやるイメージですね。

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PWM方式の制御

この図の例では、単位時間 = 1msec (1kHz)の中で、電流を流している時間(On時間)と流さない時間(Off時間)の割合によってLEDで消費される単位時間あたりの電力量を自由に変えることで、LEDの明るさを制御していることになります。見ての通り、Onしている時間の幅が変わっても電圧は一定で、1msec中のOnしている時間の割合で平均電流が決まるため、LEDの明るさを制御してやることができる様になっています。

 

ではここまでの復習(振り返り)を踏まえて、ここから最初のお題に戻りましょう。世の中で部屋の天井などに取り付けて使われるような一般的な照明向けのLEDはどのようなものでしょうか。一例ですが、ライティング創さんの天井埋込型のLED照明の仕様書を見てみると、概ね以下のような内容になっていました。

 

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LEDの回路

特徴は、

 ・AC100Vに繋ぐために、直流電源装置を使って、AC100VからDC?Vに変換して使う

 ・LED照明そのものは定電流で駆動されるようになっていて、直流電源装置に何らかの明るさ調整情報を入力することによって、LEDに繋がっている直流回路をPWM制御している。

 ・LEDそのものは定電流駆動なので、直流電源装置が定電流制御できるようになっていて、LED照明を直列しても定電流制御できる仕組みを持っているものが多い。

といった感じでしょうか。

 

さて、ここで疑問が湧いてきます。直流電源装置がLEDをPWM制御することは分かったのですが、どのくらいの明るさにすれば良いかという情報 = 「何らかの明るさ情報」は具体的にはどんな情報を入れれば良いのでしょうか。

 

 調べてみると、ここは割と各社さまざまあるようですが、最近の傾向として、DALI規格というものに準拠した情報を入れてやることで、明るさを制御できる仕様の製品が多い様です。DALI規格って何? 

 

 今回はここまでで、次回、どうやってPWM制御の大元の情報を作るか、という話を進めたいと思います。