Soraken’s Style

つれづれ

LED照明の制御(2)

 色々思うに任せてやっていると書くことが変わってきたりして、なかなか記事にまとまりませんね。

 

 前回のお話は「LED照明の制御に至るまでの事前調査」的な内容でした。

 

 一般に、従来の白熱球と同じソケットに挿して使用するLED電球はAC100Vの交流入力に対応したもので、LEDのユニット自体に交流から直流に変換する機能を内蔵しているので、ここで言う調光には向いていません。調光するには交流電源自体を制御できる装置を用意するか、LED照明に(何らかの別の信号を入れてやることで)調光できる機能が備わったものを使う必要があります。

(例:

LDA3N-G-3T3・LDA4L-G-3T3 商品詳細|LED電球|LED照明|アイリスオーヤマ )

 

 一方、店舗や家屋の天井に嵌め込んで使われるようなダウンライトなどのLED照明では、LED照明そのものは直流入力で、専用の直流電源と組み合わせて使用するタイプがあるようです。(例:

LEDダウンライト プレーン(一般タイプ)| 店舗用照明器具 | Panasonic )

 

 調光タイプのLED照明について更に調べてみると、その制御方法には、大きく2つの方法があって、電圧をアナログ的に制御するか、デジタルで制御するかのようです。一般に市販されているLEDで電圧をアナログ制御するタイプはあまりないようです。

 デジタルで制御するタイプには、更に方式があって、PWM制御信号を(調光に対応した直流電源に)入力して制御する方式や、メーカ毎に異なる専用のコマンド信号で直流電源を制御するタイプ、オープンな規格になっているDALIという方式で制御するタイプがあるようです。DALI(Digital Addressable Lighting Interface)規格についてはあまり情報が得られていなくて、ちゃんとした規格書を読まないとわからないのですが、DALIに対応した専用の制御装置が必要になるようです。簡単な技術の紹介がこちらにありましたので参考になると思います。

 

 長々と世間の様子を書いてみましたが、結局DIY的に簡単にマイコンなどでプログラムを書いて制御しようと思うと、PWM制御する方が何かと楽そうです。そこで、今回は、こちら(ライティング創さんのダウンライト)のLED照明を事例にして、マイコンでLED照明を制御する方法について検討してみました。

 

 今回やりたいことは、壁のスイッチなどでOn/Offしたり、ボリュームで明るさを調整したりといったことではなく、「プログラムで自動的に明るさを変化させていく」です。そのための制御装置も市販されてはいるみたいですが、何かとお値段がかかります。そこで、ここでは、ライティング創さんのダウンライトをプログラム調光することを目指して、安価なマイコンPWM制御信号を作ってやることで制御する方式を考えました。簡単なシステム構成を示します。

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今回はライティング創さんのダウンライト(SDL8002E)と調光タイプの電源(MU015S)を使用しました。この電源はPWMまたはDALI信号が入力されると、その信号に応じてLED照明の明るさを制御する仕組みを持っています。上図でPWM+/-( 2ピン端子)と示される端子に、PWM信号かDALIのシリアル信号を入力すると、電源ユニット側で自動的にPWMかDALIかを判断して対応してくれます。ちゃんとしたオフィスビルなどの調光システムなどであればDALI方式を使う方が良いのでしょうが、DALI方式について調べてみると、信号フォーマットの時間制約が結構厳しいようで、μ秒単位の制御を必要とするので、今回やろうとしているマイコンによる簡易制御ではより簡単なPWM信号による制御を行います。

 

調光タイプ電源ユニットMU015Sの仕様書によると、PWM調光信号の仕様は以下のようになっていました。

 周波数:     300Hz 〜 1.5kHz

 High Level電圧: 9.5V 〜 22.5V

 Low Level電圧: -6.5V 〜 6.5V

 消費電流:    2mA

 

このことから、電源ユニットに入力するPWM信号は12V、1kHzくらいにしてみることにしました。今回は、micro:bit(マイクロビット)というマイコンを使います。

micro:bitは、もともとイギリスのBBCという国営放送が子供のIT教育向けに開発したプログラミングキットで、プログラムをweb上の開発環境でScratchのようにブロックを組み合わせることで簡単に作れることが受けて、今では色々なところで教育用やDIYに使われているようです。

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Amazonでは3000円前後で売っています。2021年現在、開発環境はmicrosoftがweb上で無料で提供していて、上記のマイコンボードとパソコンを繋ぐUSBケーブルさえあれば、すぐにプログラミングすることができます。

makecode.microbit.org

 割と小さめの基板ですが、意外と多くの入出力端子を持っています。端子は0V〜3.3Vのデジタル出力ですが、PWM出力できる端子もあります。 ただし、端子によっては基板上のLED制御と兼用されているものもあり、そういった端子は0V〜3Vくらいまでしか出ないものもあるようです。

 

今回はここまでで、次回から、micro:bit周りのPWM信号をLEDに渡す回路などを試してみたいと思います。