Soraken’s Style

つれづれ

Trinketで模型用モータを回す(1)

 8pinoの開発者である田中さんが、Facebookでこのサイトを紹介してくださったせいか、11/27だけで(僕にとっては)凄い数の方がここを見に来られているみたい。有り難や〜って、変な記事が書けなくなります(笑)嘘です。まぁ、まったりいい加減に続けて行きます。

 

 いつまでもLEDだけでは飽きてくるので、そろそろ別のものを動かしてみたいなと思って、いろいろと考えてみましたが、お金がかからなくて、簡単に動かせて、そこそこ楽しめるものってなかなかないですね。

 という訳で、とりあえず、手頃な(毎度の事ながら手持ちだった)模型用モータ(マブチモータ:RE-260)を動かしてみようかなと。

 このモータは、だいぶ昔にプラモデルか何かを作った時の残骸だと思うのですけど、手持ちの機材で動かせるものか、わからなかったので、まずは"マブチモータ RE-260"でググってみました。

 グーグル先生によると、このモータはRE-260RAというものらしいです。仕様はこんな感じ。3つモデルがあるようですけど、どれだかわかりません。(笑)

MODELVOLTAGENO LOADAT MAXIMUM EFFICIENCYSTALL
OPERATING
RANGE
NOMINALSPEEDCURRENTSPEEDCURRENTTORQUEOUTPUTTORQUECURRENT
Vr/minAr/minAmN·mg·cmWmN·mg·cmA
RE-260RA 2670 1.5 - 3.0 1.5 6300 0.16 5040 0.64 0.98 10.0 0.52 4.90 50 2.56
18130 1.5 - 4.5 3 6900 0.095 5470 0.36 0.97 9.9 0.56 4.70 48 1.40
2295 1.5 - 4.5 3 9400 0.15 7610 0.64 1.31 13.3 1.04 6.86 70 2.70

 

まぁ、いつもの通り、適当にやってみましょう。

上の表によると、電圧は3V定格(または1.5V定格)のようです。無負荷の時の電流値は多くて150mA程度、起動電流は2.7Aくらいとあります。5Vかけるともっと流れそうです。(単純計算で、4.5Aくらいかな)

 我が家の機材だと、5Vで0.8AのDC電源しかないので、起動トルクで流れすぎないように電流をしぼった方がよさそうです。(電池とかみたいに一瞬なら大量に電流を流せるタイプの電源でもいいのかもしれませんが)

 ちなみに、駆動するのは前回(TrinketでPWM出力(2) )使ったMOSFETですので、こちらは問題ないでしょう。

 以上の事から適当に考えて、以下のような回路を作ってみようと思います。

f:id:soraken:20141202233420p:plain

といっても、ほとんど前回の回路と同じで、抵抗を替えたのとLEDを端子に置き換えただけですけど。TrinketからQ1のNPNトランジスタ、Q2のMOSFETまでの駆動の仕組みは前回の記事をご覧ください。今回は、OUT1とOUT2の間にモータをつなげられるようにしました。また、R3は0.5A程度が流れる事を想定して、モータの端子間抵抗が、3V-2.7Aからざっくりと1Ωとしたら、電源電圧が5Vですから、

 V = IR

    5 = 0.5 × ( 1 + R3 )

 R3 = 9Ω

また、今回は電流が沢山流れる事を想定して、抵抗に加わる電力Wは

 W = VI

   = 5 × 0.5

   = 2.5 watt

と計算しておきましょう。

 ちなみに、一般的な炭素皮膜抵抗や金皮抵抗は1/8 〜 1/4watt程度ですから、今回の実験では、ちょっと物足りない感じです。

 今回は、(何故かたまたま持ってた)3.2Ω/1Wの抵抗(素性不明)を3本直列で9.6Ωにして使ってみました。何故、2.5ワットより少ない物を使うかというと、MOSFETのデューティーでしぼって試そうと思っているからです。本当はちゃんとマージンをとって電力容量に余裕がある部品を使うべきですけどね。手持ちの部品にいつも最適な物がないこともあると思うので、今回は、MOSFETの制御方式で電流を制限して使うことにします。具体的には、On時間を1/5にして、0.5W程度に収まるようにします。将来、モータを自由に動かす時に、もう少しちゃんと回路を考えたいと思います。

 ということで、また例によってブレッドボードでちょこちょこと回路を組んで試してみました。

f:id:soraken:20141129183428p:plain

写真ではあんまりよくわからないかもしれないですね。中央から下へ伸びている緑線と右側から下へ伸びている赤線がモータに接続されています。緑線の根っこの当たりの水色の素子が3.2Ωの抵抗3個です。

 Q2がOnしている時(モータに電流が流れている時)の抵抗の両端の電圧をTP2とTP3で測定してみると、ざっくりと1.6Vくらいでした。

f:id:soraken:20141130001204p:plain

(上図中、CH1がTP2、CH2がTP3です。赤線はCH1-CH2)

ということは、抵抗が9.6Ωなので、抵抗に流れている電流 I が計算できて、

 I = 1.6 / 9.6

   ≒ 170mA

ということになります。また、TP3が2.2V程度になっていますから、Q2のOn時の抵抗Rqは、

 Rq = 2.2 / 0.17

    = 13.2Ω

ということで、以外と大きい事がわかります。

更に、Ch1が3.6Vですから、モータ通電時の見かけ上の内部抵抗Rmは、

 Rm = (5.0 - 3.6) / 0.17

     = 8.4Ω

です。そう言えば、最初に見つけたRE-260RAの仕様では、"2670"の行で、1.5V の時、無負荷時0.16Aとありましたから、ほぼこの状態と同じくらいで回せたという事でしょう。

 

ちなみに、今回のTrinketに書き込んだプログラムは以下の通りでした。

 /*

PWM Pulse Test
デューティー比を10%まで可変して出力する
*/

// Pin 1 has an LED connected on most Arduino boards.
// give it a name:
int motor = 1;
int val = 0;
int time = 10;
int dir = 1;

// the setup routine runs once when you press reset:
void setup() {
  // initialize the digital pin as an output.
  pinMode(motor, OUTPUT);
}

// the loop routine runs over and over again forever:
void loop() {
  if (val == 26) { dir = -1; }
  else if (val == 0) { dir = 1; }
  val = val + dir;

  analogWrite(motor, val);
  delay(time);
}

 ループ内では、デューティーを0から10%の間で増減を繰り返しています。また、同じデューティーで10msec保持しています。(観測しやすいように)

 試しに、モータに色付きの円盤を取り付けて、動いている様子を見てみたのが以下の動画です。  


Trinketでモータを駆動する - YouTube

 

 まぁ、例によっていつものようにかなり乱暴なやり方でしたが、まぁまぁ思った通りモータを動かせたかなと思います。

 ただし、今回はあくまでも「モータがTrinketで動いた」というだけです。ちゃんと「意図した通り(回転数とか角度とか)動かした」というほどではありませんね。

 いつか、もうちょっとまともな動かし方もやってみたいと思いますが、他にもTrinket(というより8pino)を使ってやりたいことがあるので、今後は他の事も試してみたいと思います。今回は、ここまで。